最大公約数と最小公倍数の関係

最大公約数最小公倍数の関係を紹介します。

2つの整数の最大公約数と最小公倍数には、きれいな関係式があります。

最大公約数と最小公倍数の関係

2つの整数 \(a, b\) に対して \[\mathrm{gcd}(a,b)\mathrm{lcm}(a,b)=|ab|\] が成り立つ.

証明

\(\mathrm{gcd}(a,b)=\mathrm{gcd}(|a|,|b|),\ \mathrm{lcm}(a,b)=\mathrm{lcm}(|a|,|b|),\ |a||b|=|ab|\) なので,
自然数 \(a, b\) に対して示せば良い.

\(g=\mathrm{gcd}(a,b),\ l=\mathrm{lcm}(a,b)\) と置く.

\(ab=0\) のとき,
\(l=0\) なので \(gl=0=ab\) となるので良い.

\(ab\neq0\) のとき,
\(g\neq0\) なので, 互いに素な整数 \(a^\prime, b^\prime\) を用いて \(a=ga^\prime, b=gb^\prime\) と書ける.
ここで \(k=ga^\prime b^\prime\) とおく.
\(a\mid k\) かつ \(b\mid k\) なので, 最小公倍数の定義より \(l\mid k\).

また, \(a\mid l\) なので, 整数 \(n\) を用いて \(l=na=nga^\prime\) と書ける.
\(b\mid l\) なので \(gb^\prime\mid nga^\prime\) から \(b^\prime\mid na^\prime\).
\(a^\prime, b^\prime\) は互いに素であるから, \(b^\prime\mid n\).
これより \(ga^\prime b^\prime\mid nga^\prime\) となり, \(k\mid l\) が分かる.

\(l\mid k\) かつ \(k\mid l\) より \(k=l\).

ゆえに \(gl=gga^\prime b^\prime=(ga^\prime)(gb^\prime)=ab\).

一般に、3変数以上では上の等式は成立しません。
例えば、\(6, 8, 12\) に対して \(\mathrm{gcd}(6,8,12)=2, \mathrm{lcm}(6,8,12)=24\)
となりますが、\(6\cdot8\cdot12=576\neq 48=2\cdot24\) です。

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