ring

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環の直積

\(R_1,R_2\) を環として, \(0_1,0_2\) をそれぞれの零元, \(1_1,1_2\) をそれぞれの単位元とする. 集合としての直積 \[R_1\times R_2=\left\{\ (r_1,r_2)\ |\ r_1\in R_1,\ r_2\in R_2\ \right\}\] 上に二項演算 \(+\) と \(\cdot\) を \((r_1,r_2),\ (r_1^\prime,r_2^\prime)\in R_1\times R_2\) に対して \[ (r_1,r_2)+(r_1^\prime,r_2^\prime)=(r_1+r_1^\prime,r_2+r_2^\prime)\\ (r_1,r_2)\cdot (r_1^\prime,r_2^\prime)=(r_1r_1^\prime,r_2r_2^\prime) \] で定義すると \(R_1\times R_2\) は環となる. この環を \(R_1,R_2\) の直積(direct product)という. \(R_1\times R_2\) の零元は \((0_1,0_2)\), 単位元は \((1_1,1_2)\) である.

剰余環

環 \(R\) とその両側イデアル \(I\) に対して, \(R\) 上の関係 \(\sim_I\) を \[a\sim_I b \Longleftrightarrow a-b\in I\] で定義すると \(\sim_I\) は同値関係となる. 同値類の集合 \(R/\sim_I\) を \(R/I\) と書く.

イデアル

環Rの部分集合Iが \(a,b\in I\ \Longrightarrow\ -a+b\in I\) \(a\in I,\ x\in R\ \Longrightarrow\ xa\in I\) を満たすとき,IをRの左イデアル(left ideal)という.

環の準同型写像

2つの環 R,R^\primeに対して, 写像 f\colon R \to R^\primeが任意のx, y\in Rと単位元 1\in R, 1^\prime\in R^\primeに対して f(xy)=f(x)f(y), f(x+y)=f(x)+f(y), f(1)=1^\primeを満たすとき, fをR,\ R^\prime間の環準同型写像(ring homomorphism)または単に準同型写像(homomorphism)という.

部分環

群Rの空ではない部分集合Sが, Rの二項演算で環になるとき, SをRの部分環(subring)という.また,Rの零元からなる集合{0}とR自身はRの部分環であり, これらを自明な部分環(trivial subring)と呼ぶ.

環の定義

空でない集合Rとその上の2つの二項演算、和と積の組が環(ring)であるとは,和に関してアーベル群、積に関してモノイド、和と積で分配律が成立することを言います。積が可換であるとき可換環と呼びます。
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