代数学

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半環

整数の定義

自然数を使って整数を定義します。整数の演算は自然数の演算を用いて自然に定義されます。
半環

自然数の演算

自然数に帰納的定義を用いて和と積を定義することが出来ます。
半環

自然数の定義と構成

自然数とはどんなものかは直感的に理解できると思いますが、定義はどんなものかを考えると難しいと思います。ここでは、有名なペアノの公理を用いて自然数を定義・構成しようと思います。自然数を定義できると、整数→有理数→実数→複素数→...などのように「数」を広げていくことが出来ます。
初等整数論

ユークリッドの互除法

2つの整数 \(m, n\) に対して, 以下の手続きを行う事で最大公約数を得られる.1.\(n=0\) ならば \(m\) を最大公約数として終了する.2.\(m\) を \(n\) で割り, その余りを \(r\ (0\leq r<|n|)\) とする.3.\(n\) を新たな \(m\), \(r\) を新たな \(n\) とみなし, 1. に戻る.
半環

商半体

\(S\) を可換な整半環とする. \(T=S\,\backslash\{0\}\) とすると \(T\) は積閉集合である.この \(T\) による局所化 \(T^{-1}S\) は \(S\) を含む最小の半体となり, \(S\) の商半体(quotient semifield)と呼ばれる.また, \(\mathrm{Q}(S), \mathrm{Quot}(S)\) のように書いたりする.

商体

\(R\) を可換な整域とする. \(S=R\,\backslash\{0\}\) とすると \(S\) は積閉集合である.この \(S\) による局所化 \(S^{-1}R\) は \(R\) を含む最小の体となり,\(R\) の商体や分数体と呼ばれる.また, \(\mathrm{Q}(R), \mathrm{Quot}(R),\mathrm{Frac}(R)\) のように書いたりする.
半環

半体の定義

空でない集合 \(S\) が半体(semifield)であるとは, \(S\) は半環であり, \(0\) でない \(a\in S\) に対して, ある \(b\in S\) が存在して \(ab=ba=1\) を満たすことをいう.言い換えると, \((S\backslash\{0\},\ \cdot\ )\) が群であることをいう.
半環

半環の整性と簡約性

半環 \(S\) が \(0\) 以外に零因子を持たないとき, \(S\) は整(integral)であるという.\(S\) が左消約的かつ右消約的であるとき, \(S\) は簡約的(cancellative)または消約的であるという.
半環

半環の0-添加

環 \(S\) に対して, \(S\) の零元を \(0_S\) とする.\(S\) に新たな元 \(0\) を加えた集合 \(S^0=S\cup\{0\}\) を考える.\(S^0\) 上の演算 \(+,\ \cdot\) を \(a,b\in S\) に対しては \(S\) 上の演算 \(a+b, ab\) で定義し, \(a\in S^0\) に対しては\[a+0=0+a=a\\a\cdot0=0\cdot a=0\] で新しい元 \(0\) の演算と定義すると \(S^0\) は半環となる.この \(S^0\) を \(S\) の0-添加という.

群の直積

\(G_1,G_2\) を群として, \(e_1,e_2\) をそれぞれの単位元とする.集合としての直積 \[G_1\times G_2=\left\{\ (g_1,g_2)\ |\ g_1\in G_1,\ g_2\in G_2\ \right\}\] 上に二項演算 \(\cdot\)を \((g_1,g_2),\ (g_1^\prime,g_2^\prime)\in G_1\times G_2\) に対して \[(g_1,g_2)\cdot (g_1^\prime,g_2^\prime)=(g_1g_1^\prime,g_2g_2^\prime)\] で定義すると \(G_1\times G_2\) は群となる.この群を \(G_1,G_2\) の直積(direct product)という.
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