整数の公倍数の定義を紹介します。
公倍数とは複数の整数に共通する倍数のことを指します。
公倍数
\(n\) 個の整数 \(a_1, a_2, \ldots, a_n\) に対して, 整数 \(m\) が任意の \(1\leq i\leq n\) に対して \(a_i\) の倍数となるとき
\(m\) を \(a_1, a_2, \ldots, a_n\) の公倍数(common multiple)であるという.
公倍数の基本事項
- 任意の \(a_1, a_2, \ldots, a_n\) に対して \(0\) はそれらの公倍数である.
- \(m=a_1a_2\cdots a_n\) は \(a_1, a_2, \ldots, a_n\) の公倍数である.
- \(m\) を \(a_1, a_2, \ldots, a_n\) の公倍数, \(m^{\prime}\) を \(m\) の倍数とすると \(m^{\prime}\) は \(a_1, a_2, \ldots, a_n\) の公倍数である.
- \(0\) と整数 \(m\) の公倍数は \(0\) のみである.
証明
- 任意の整数 \(m\) に対して \(0\) は \(m\) の倍数なので良い.
- 任意の \(1\leq i\leq n\) に対して \(m=a_1a_2\cdots a_n\) は \(a_i\) の倍数であるから良い.
- 任意の \(1\leq i\leq n\) に対して, \(m\) は \(a_i\) の倍数で \(m^{\prime}\) は \(m\) の倍数なので \(m^{\prime}\) は \(a_i\) の倍数.
例
- \(14\) と \(21\) の公倍数は \(0, \pm42, \pm84, \pm168, \ldots\) である.
- \(3, -5, 4\) の公倍数は \(0, \pm60, \pm120, \pm180, \ldots\) である.
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