整数の倍数の定義と、倍数の簡単な性質を紹介します。
倍数
整数 \(m, n\) に対して, ある整数 \(l\) が存在して \(m=ln\) となるとき,
\(m\) は \(n\) の倍数(multiple)であるという.
このとき, 逆に \(n\) は \(m\) の約数であるといい, \(n\mid m\) で表す.
例
- 任意の整数 \(m\) に対して, \(m\) の倍数は \(\ldots, -2m, -m,\ 0,\ m,\ 2m,\ \ldots \) です。
- \(1\) の倍数は任意の整数 \(m\) です。
- \(0\) の倍数は \(0\) のみです。
- \(3\) の倍数は \(\ldots, -9, -6, -3,\ 0,\ 3,\ 6,\ 9,\ \ldots \) です。
Suzume
\(0\) の倍数は1つだけで, \(0\) 以外の整数の倍数は可算無限個あります。
倍数関係の推移性
整数 \(a, b, c\) に対して \(a\) が \(b\) の倍数で, \(b\) が \(c\) の倍数ならば \(a\) は \(c\) の倍数である.
証明
\(a=bn, b=cm\) と書けるので, \(a=cmn=c(mn)\).
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