半環にも準同型写像があります。
ここでは簡単に紹介します。
半環準同型(semmiring homomorphism)
2つの半環 \(S,\ T\) に対して, 写像 \(f\ \colon\ S \to T\) が任意の \(x, y\in S\) に対して
- \(f(xy)=f(x)f(y)\)
- \(f(1_S)=1_T\)
- \(f(x+y)=f(x)+f(y)\)
- \(f(0_S)=0_T\)
を満たすとき, \(f\) を \(S,\ T\) 間の準同型写像(homomorphism)または半環準同型(semiring homomorphism)という.
特に, \(f\) が全単射であるとき,半環同型(semiring isomorphism)といい, \(S\) と \(T\) は同型(isomorphic) であるという. このとき, \(S\cong T\) と書く.
つまり、和と積についてモノイド準同型であることを求めています。
例
自然数全体 \(\mathbf{N}=\left\{0, 1, 2, 3, \ldots \right\}\) と自然数係数多項式の全体 \(\mathbf{N}[x]\) は通常の和と積で半環となります。 \(f\ \colon\ \mathbf{N}[x] \to \mathbf{N} \) を \( p(x)\in \mathbf{N}[x] \) に対して \(1\) を代入するもの、
つまり \(f(p(x))=p(1)\) は半環準同型となります。例えば
- \(p(x)=2x^2+4\) のとき \(f(p(x))=p(1)=2\cdot 1^2+4=6\)
- \(p(x)=x^5+3x^4+x+9\) のとき \(f(p(x))=p(1)=1^5+3\cdot 1^4+1+9=14\)
のような写像です。
一般化して \(n\in \mathbf{N}\) に対して \(f_n\ \colon\ \mathbf{N}[x] \to \mathbf{N}\ ;\ p(x)\mapsto p(n) \) と定めると \(f_n\) も半環準同型となります。
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