【良問】初等幾何の有名角問題

中学レベルの知識で解くことが出来る、図形問題の良問を紹介します。

広中杯は、中学生を対象とする日本の数学のコンテストで、高校生の数学オリンピック、小学生の算数オリンピックにあたるような数学の大会です。トライアル(予選)とファイナル(決勝)大会があり、いずれの問題も非常に難しく、「数学力」が試されます。また良問も多く、高校生以上であっても「楽しめる」問題が豊富です。入試数学しか解いてこなかった人や数学に自信がある人は過去問を解いてみることをお勧めします。

広中杯のトライアルから1問紹介します。

2001年 広中杯トライアル問題

\(\triangle ABC\) が \(AB=1,\ \angle ABC =54^\circ,\ \angle ACB =30^\circ \) を満たすとき, \(AC\) の長さを求めよ.


この下に解答があります。


解答

辺\(BC\)に関して点\(A\)と対称な点を\(D\)とする.

\(\triangle ADC\) は正三角形で \(AC=AD\).

\(\triangle BAD\) は頂角が \(108^\circ\) の二等辺三角形であるから, 辺 \(AC\) は一辺の長さが \(1\) の正五角形の対角線の長さに等しい.

求める対角線の長さを \(x\) と置くと、三角形の相似関係より、

\[x\ \colon\ 1\ =\ 1\ \colon\ (x -1)\]

なので

\[x^2 – x – 1 =0\]

\( x\ge 0\) かつ \( AC\ge x\) なので

\[AC= \frac{1+\sqrt{5}}{2} \]

解けましたか?

算数オリンピックなどでは、よく知っている図形が組み合わされて問題になっていることが良くあります。今回は正五角形と正三角形を組み合わせた問題でした。また、この問題のように図形を折り返したり、対称な点を取ったりすると、すんなり解ける問題も多いです。

このパターンの問題を知らなかった人の視野が広がっていれば嬉しいです。

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